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脱物語を物語る

自分の創作について、心境と現状を記録したメモです。 無垢な欲望と最終目標  私のなかに静かに燃える欲望の炎があります。これをリビドー(ユング的な意味で)と呼んでいます。まずはこのリビドーを創作の源として発露すること。次に鑑賞者に影響を与えること。更にその力が新たな形で世界へと生成されること。最後にその変容と拡散がこの世界で連綿と繰り返されること。以上が私の創作における望みであり目的です。これは絵を描いていた頃から一貫しています。「真似するな引用するな作ったのは俺だ」などというエゴは一切不要と考えます。 物語への違和感  人間存在はいわゆる物語では表現できません。全身体的な生命活動や、世界の複雑さが常に背景にあることを忘れないようにしたいと思います。「コンビニに行く」という単純な行為でさえ無数の要因の上に成り立っているのです。意志や意識、行動が世界のすべてであるかのような物語の成り立ちには違和感を覚えます。 アプローチ  私の創作では伏線の回収といった読者への配慮よりも、「分からないけど面白い」体験を重視します。かと言って無闇に文脈や因果を排除するのではなく、独自の形で脱物語(新しい物語性)のようなものを作りたいと思っています。 現状と課題  理想の表現にはまだほど遠いと自覚しています。引き続き、現実を多面的・多層的に塗りかさねてみる、あるいは世界から切り取ったさまざまな断片を再構成してみる、などの手法を試していきます。文章をより濃密にすべきか研ぎすまして整理すべきか、などの問題もあります。今のところ、あばれるリビドーと律しようとする手法のあいだで心は揺れています。 そんなことはどうでもよくて好きに気ままにやればいいとも思います。 お前の作るものなど、作る姿勢など、だれもなにも気にしちゃいない。 …その通り。 …とは言え、せめて誰か一人だけでもいいので末長く見守ってもらいたい、話してほしい。それが本音です。