夢見)25.1.8.
夢を見た。 ポツンと開いた本がある。昨年、推理小説の新人賞を取った作家の、受賞作。校正刷で仮製本したもの、刊行直前の最終見本誌。前半は作品ではなくて本ができるまでの経緯が書かれている。作者の意向で第1章のタイトルが3つの文でできている。長すぎると編集者らが意見し、討議でもめたというエピソードなど。本の半ばにグロスコート紙のページがあって、その見出し文が載っている。 気がつくと私はそれを線路内で立ち読みしている。銀色のローカル線が入線してくる様子と音を感じ、急いでホームによじ登った。見ると本は線路の上におき忘れている。そばにいたパートナーにそのことを告げるうちに、列車が近づく。本は鉄路の下に挟まれているが、車止めの装置の先にある。どうか手前で停止してくれ、と願う。ブレーキをかける音が響き、車両は止まりきれず本を通過、一両目が脱線した。ジュラルミンの車体は斜めにかたむき、横腹にはヒビが入っている。運転手が怒った様子で私に本のことを確認すると「軌道上放置物報告書を書いてください」と言う。 踏まれた本はクロスの表紙の上製本で、文字も柄もなく深く濃い紺か緑のような色をしている。その布の一部がほつれ傷がついていた。 夢から覚めた私は宿で親戚たちと雑魚寝をしている。見た夢を忘れないうちにメモ帳に記しておくか迷うが、眠いので布団を敷き直して寝ることにする。敷布団を整えると、隣の親戚の男が寝ぼけながら私の敷布団の上に侵入しうつ伏せになって眠る。彼は体操教師としての体躯をしている。腹が立ち追い出そうとも思ったが、さらに2枚布団が敷いてあるのでそちらで寝れば良いと思い直す。 眠りながら先ほどの夢を反芻し、また眠るをくり返した。 …以上はすべて夢で、やっと本当に目が覚めた。私は夢を反芻し離床。忘れないうちにこのブログに残すことにした。