メメント・モリ(死を想え/現実編)
ご注意:痛々しい表現を含みます。 死について。 今までの経験や体験をふまえて思うこと。 たいていの病死は、全身が等しく衰えるより、ある部分が機能しなくなることで迎える。 頭は健康なのに癌が内臓に転移した、心臓は元気なのに脳卒中、等々。 つまりは殺されるのである。 神経は生きているし、健康な部分もたくさん残っている。 にもかかわらず、死に至らねばならない。その苦痛は並大抵ではないと思う。 最期はぜいぜいはあはあ、激痛にのたうちまわることも少なからずあるだろう。 かつて誕生の苦しみをくぐり抜けて、おぎゃあおぎゃあと産声を上げた。 おなじように最期は死の苦しみを経て、ふたたび大地へと還っていく。 多くの人々はそれを避けられない。平等に訪れるもの。 しかし恐れてばかりもいられない。生きるしかない。生かされている。 さて。現実的な問題。 あとに残された近親者。 相続である。 もちろん葬儀やご挨拶、諸々の届出、変更手続き、物品の整理やあとかたずけもある。 しかし相続は、場合によってはそれ以上に厄介だ。 相続手続からは誰も逃れられない (たとえ海外国籍を有していても。日本では、被相続人が日本国籍であれば日本の法律に従って相続がおこなわれる)。いくら「縁を切った」と言ってみても戸籍上は残る。血のつながりは絶対に断てないのである。戸籍謄本、凄まじいものだなとさえ私は思った。 相続財産。 お金だけとは限らない。土地・建物、株式、車・貴金属から、借金・クレジットの債務にいたるまで、途方もない。「負の遺産」まで背負わされるとなったら泣くに泣けない。総額の大きさ次第では納税義務もある。 まだある。 相続人は 「遺産分割協議」をおこなって「遺産分割協議書」を作成 しなくてはならない。(法定相続人が一人の場合は不要。また正式な遺言書が作成されていればそちらを優先し、家庭裁判所に遺言書を提出し検認を受ける義務がある。) 「遺産分割協議」:相続人全員で話し合い、全員が納得→遺産分割協議書を作成して遺産を分割する。 遺産分割協議書には、法定相続人全員の署名と実印の押印が必要。 (遺産分割協議で全員の納得が得られない場合→家庭裁判所へ申し立てをおこなう。) さらに厄介なケース。 例えば亡くなった親に離婚歴があり、前婚者との間に子供がいる場合など。 私の知人にも、義兄弟がいるのを知らなかったというケースが...