日記記4

◯ シェイクスピア『ヘンリー六世』読み始めた。中世のイギリスとフランスの戦いや内紛を描く。冒頭から、イギリスの高官同士がものすごく罵り合っている。フランス側にはジャンヌ・ダルクが降臨。シェイクスピアのジャンヌ像も興味深い。そのあと早々に処刑されていたが。
多和田葉子氏が、ドイツ語は日本語よりはるかに多くの罵詈雑言句があるし、人々も日常的にたくさん使ってる、と書いていた。英語だがシェイクスピアにもそれはある。個人主義なので自衛と攻撃のための言語もたくましいということか。
また、『リチャード三世』は、王になるためにあからさまな謀略で邪魔者をあやめまくる。女もガンガン口説いて手に入れる。もちろん出世のためで恋情などは微塵もない。野望のために一直線。最後は、それまで手を下した人々が亡霊となって現れて、いちいち「絶望して死ね!」と言い捨てていく。そのとおりに最期の奮闘もかなわず討ち死にした。
シェイクスピアの歴史劇は容赦なくて刺激的だ。しかし、もし本当にこのような世界だったとしたら恐ろしい。

◯ 運動不足と飲食、焼肉食べ放題も効いてあっという間に3キロ太った。焼き肉は、LINEスタンプの収入が少しづつ貯まって一万近くになったのでそれを使った。なんとなく小遣いとして使うよりも、記憶に残る使い方をしたほうが良い。
炭水化物が好きではあるが、1食を野菜だけにしてみたくて、実行。キャベツの千切り。ドレッシングやマヨネーズで。今なら春キャベツが良い。レタスやキュウリ、トマトもおいしい季節になってきた。野菜は裏切らない。1キロ痩せた。

◯ プラレール博で池袋のサンシャインに行く。駅前からサンシャインまで、直線ではないのでいつもイライラする。今まで最短距離で歩けたことはないと思う。更に、すぐそこがなかなか着かない。高層ビルによる錯覚だ。地図と実際の印象が違いすぎる。渋谷も新宿も似たようなものだけど。
サンシャインビルにたどりついたものの、入り口までが果てしなく遠い。長蛇の列を何度も折り返す、あの並び方だ。受付がすんで入った会場内も人人人。どの子供たちも複雑な表情で、ここは楽しいのか?という顔ばかりだ。大きな展示を見てすごいねーとなっただけで、全体的にスカスカした印象。リピートはないと思う。
連れていった子に感想を聞いた。「どうだった?」「面白かったよ!」「どのへんが?」「うーん…わかんない…」連休の行楽など、そういうものなのだろう。

◯ 先生から論考をいただき、共著にしたいので手を加えて欲しいという依頼を頂戴したまま、思考が固まって何もできていない。絵でもない、詩を添えようにも言葉がない、論考自体に手を加えるなど畏れ多い。お茶をにごすように、zoomでいろいろお話を伺った。その時には何か作れそうな気がしたけれど、いざ机に向かうと思考は停止してしまう。

◯ 小説を書き始めてやはりストップしてしまった。何かをていねいに説明しながら大きな構造物にしていくことは難しいものだな。そもそもそれほど私は親切な人間ではなかった。
かわりに断片を書いていったけれど、面白みはない。創作の袋小路、好きなようにやればいいのに、それすらもできない滑稽さ。すべてをやめて、本を読み始めている。(→冒頭へ戻る)